「ビタミンCの何万倍の抗酸化作用!!」のウソ

「ビタミンCの何万倍の抗酸化力」の嘘

抗酸化物質、活性酸素から身体を防御し、活性酸素に壊された身体を修復する機能をもち、美容・健康・アンチエイジングに欠かせないものです。

 

様々な、化粧品メーカーや医薬品メーカー、健康食品メーカーが、次々と新しい抗酸化物質を探し出し、「効果的!!効果的!!」と宣伝しています。

 

彼らが、それら新たな抗酸化物質を宣伝するときの常套句が
ビタミンCの何千倍の抗酸化効果!!」「ビタミンCの何万倍の抗酸化作用!!」というものです。
抗酸化物質として一般的なビタミンCの何千倍・何万倍も抗酸化作用が高いので、より、美容・健康・アンチエイジングに効果があるんだ!!という主張なのですが、これにはカラクリがあり、必ずしも正しくはありません。

 

たとえば、化粧品で使われているある物質は、「ビタミンCの約6000倍の抗酸化力」と宣伝されています。
その物質の抗酸化力が、ビタミンCの約6000倍あることは、本当です。
しかし、その物質が、ビタミンCよりも、美容・健康効果が優れているかどうかは、微妙です。

 

なぜならば、抗酸化力が高いということと、美容・健康に効果が高いということは、必ずしもイコールではないからです。
抗酸化物質とは、自らが代わりに酸化されることで、活性酸素の酸化被害から身体を防御する役目を果たしている物質です。つまり、もともと身代わりに酸化されやすい物質群を、抗酸化物質と呼んでいるのです。そして、「ビタミンCの6000倍抗酸化力が高い」ということは、ビタミンCの6000倍酸化されやすいということを意味しています。

 

ビタミンCは、水溶液の状態で封をせず放置したら、おおよそ数日で酸化します。数日かけて緩やかに抗酸化作用を発揮していくということです。
対して、ビタミンCの6000倍の抗酸化力のある物質だと、わずか数十秒で酸化してしまう計算になります。

 

経口摂取するにしても、経皮吸収するにしても、数十秒では早すぎて、体内に取り込まれる前に酸化してしまっている可能性が大です。
抗酸化物質は、酸化する前は身体に有益ですが、酸化してしまうと逆に酸化物質となり、身体を酸化させる側に回り有害となる可能性もあるのです。
つまり、抗酸化力が高すぎると、体内に吸収される前に酸化されてしまい、吸収されるころには、逆に有害な酸化物質に変貌している危険もあるということです。

 

また、抗酸化力が高すぎる物質は、出荷して使用されるまでに、酸化されてしまうリスクも高いです。仮に酸素と触れないように完全密閉をしていたとしても、一度開封してしまえば同じことです。開封して数十秒で使い切らなければ、その製品は美容健康に効果のある抗酸化物質ではなく、害のある酸化物質になってしまっているということになります。


ビタミンCは、ほどよい抗酸化作用だから、美容健康に効果的なのです!!

ビタミンCのほどよい抗酸化作用

抗酸化物質とは、抗酸化力が弱くても効果が薄く、逆に、抗酸化力が強すぎると一瞬で酸化してしまって有害になるという特徴があります。
抗酸化物質は、強すぎてもダメ、弱くてもダメ、つまり、効果的な抗酸化物質に求められる条件とは、「ほどよい抗酸化作用」ということになります。

 

この点、ビタミンCは、数日かけて緩やかに抗酸化作用を発揮していく特徴があり、「ほどよい抗酸化作用」をもつ抗酸化物質の代表格と呼ぶべきものでしょう。
だから、ビタミンCは、最も一般的な抗酸化物質と言われているのです。

 

そして、ビタミンCは、ほどよい抗酸化作用だから、美容健康に効果が高いともいえるのです。


ビタミンCは、取り込んでもすぐに排出されるから、凄いんです!!

ビタミンCの排出

ビタミンCのすごい点は、取り込んでもすぐに排出されるということにもあります。

 

ビタミンCには、有害な活性酸素を取り込む作用があります(抗酸化作用)。
もっとも、取り込んだ活性酸素をそのまま体内にとどめておくとまた悪さをする恐れもあり、なるべく早く体外に排出する必要があります。

 

この点、ビタミンCは、摂取しても、すぐに尿として排出されていくという性質をもっています。
だから、ビタミンCは、有害な活性酸素を取り込む端から、どんどん活性酸素を体外に排出することができるのです。

 

たまに「すぐに排出されたら意味がないじゃん!」って言われる人がおられますが、取り込んですぐに排出されるというこの性質がビタミンCのすごいところなのです。ビタミンCをどんどん摂取し、体内の活性酸素をどんどん取り込んで、尿としてどんどん排出する。この仕組みによって、ビタミンCは、体内の活性酸素をどんどん減らしていくことができているのです。

 

つまり、ただ単に、活性酸素の取り込み作用(抗酸化作用)があるだけでは意味がないのです。活性酸素を取り込みつつ、取り込んだ活性酸素を体外に排出すること、これが重要なんですね。

 

様々な、化粧品メーカーや医薬品メーカー、健康食品メーカーが、次々と新しい抗酸化物質を開発していますが、抗酸化作用ばかりが強調されており、排出作用に注目しているものは少ないですね。排出作用がおろそかになっている抗酸化物質は、意味がないばかりか、体内に活性酸素が溜まり続けるので、有害だともいえます。

 


ビタミンCを摂取することは、人類進化の必然です。

ビタミンCと猿

適度な抗酸化作用を保ちつつ、取り込んだ活性酸素を速やかに体外排出できること、この2つの作用が備わっていることが、ビタミンCが、もっとも効果が高い抗酸化物質だとされるゆえんです。美容・健康・アンチエンジング対策には、まず何よりもビタミンCを摂取し続けることをおすすめします。

 

①体外からビタミンCを摂取し②ビタミンCが体内の抗酸化を促し③尿として体外に活性酸素を排出し続ける。。。。 これこそが、美容・健康・アンチエンジング対策の黄金サイクルです。
この①②③のサイクルは、人類の長い進化の歴史のなかで生まれてきたものです。

 

人間を含む霊長類であるサルの仲間は、他の動物と違って、体内でビタミンCを合成することができません。
なぜ、サルの仲間はビタミンCを合成することができないのでしょうか? それは、霊長類が森の中で生活し、たえず木の葉を食べ続けたことと関係があります。
木の葉の中には、ビタミンCが豊富に含まれています。木の葉を食べ続けたことで、労せずビタミンCが体外から取り込まれ続けることになり、わざわざ体内で合成する必要がなくなり、ビタミンC合成能力が退化してしまったのです。

 

サルの仲間は、ビタミンC合成能力は退化してしまいましたが、木の葉からビタミンCを取り続けることができたので、ビタミンCを取り続けることを前提とした健康維持の仕組みを作り上げ進化させることになりました。それが①②③のサイクルです。
①森に大量にある木の葉からビタミンCを摂取し続けて②体内の有害活性酸素を抗酸化し③尿として体外に活性酸素を排出し続ける。こうすることで、活性酸素を除去し、健康を維持する黄金サイクルを作り上げたのです。

 

しかし、これは、外部から簡単にビタミンCを摂取し続けることができたサルの仲間だから成り立つサイクルです。
森に住んでいるサルは、森の木の葉を食べ続けてビタミンCを確保すればいいのですが、人間の場合はそうもいきません。木の葉を食べ続けてる訳にはいきませんし、野菜からビタミンCを確保するにも、ビタミンCは酸化による劣化が早いので、採れたての新鮮野菜でないと意味がありません。その日に食べる分だけ、直前に収穫するような自給自足の生活なら、ビタミンCも確保できるでしょうが、現代社会では必ずしも自給自足な生活がおくれるわけではありません。

 

結果として、現代人は、ビタミンCが不足しがちとなっています。
外部から簡単にビタミンCを摂取し続けることが前提で健康を維持するサイクルですので、ビタミンCの摂取が不足すると、さまざまな不具合が起こります。
まずは、肌荒れやシワ、肌のくすみなど美容面の劣化が生じ・・・・老化の原因にもなります。また、酷くなると健康阻害へと深刻化します。内臓疾患や、骨や軟骨が衰えてもろくなり骨折しやすくなります。血管が衰えて血管が破れやすくなる壊血病となることもあります。

 

ですから、人間にとって、ビタミンCをたえず摂取しつづけることは、美容や健康を維持する上で大前提なのです。
そして、残念ですが、人間は、木の葉からビタミンCを大量摂取することはできませんので、結果として、ビタミンCサプリやビタミンCの粉末から、ビタミンCを補うしかないことになります。

 

ビタミンCを摂取しつづけることは、人類進化がたどり着いた必然なのです。


なぜ、ビタミンCは軽視されるのか???

美容健康にとって、これだけ重要なビタミンCであるにもかかわらず、美容・健康業界では、ビタミンCを軽視し、他の抗酸化物質を過剰に持ち上げる傾向があります。
これは、ビタミンCの美容・健康効果が低いからではなく、ビタミンCの効果が高いのに、あまりに当たり前すぎる物質で安価なため儲からないからです。安くて効果的なのなら、皆がビタミンCに走りますよね。でも、皆がビタミンCの効果を知ったら、他の高価な抗酸化物質が売れなくなりますもんね。

 

他の抗酸化物質に意味がないとは言いません。使いようによっては、有益なものもあるでしょう(例えばコエンザイムQ10など)。
しかし、それらは、あくまでもビタミンCを十分に摂取できている状態で、補助的に利用するから意味があるものです。

 

美容・健康業界の過剰な宣伝に、惑わされないようにしましょう。

 

 

(文責:山中しんじろう


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